第27回参院選の本県選挙区(改選数1)は20日、県内655カ所で投票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の寺田静氏(50)が自民党元職の中泉松司氏(46)に4万8,393票差で事実上の一騎打ちを制し、再選を果たした。
物価高対策を最大争点に、政権選択の様相を呈した今参院選の本県選挙区には寺田、中泉両氏のほか、参政党新人の佐藤美和子氏(65)、政治団体「NHK党」新人の本田幸久氏(43)の計4人が立候補。今回も6年前の令和元年(2019年)の参院選と同様、寺田、中泉両氏による事実上の一騎打ちとなった。
「生活の実情が見えていない今の政治を変えたい」をスローガンに据え、食料品など生活必需品の消費税を引き下げて家計負担を減らすことなどを公約に掲げた寺田氏は幅広い層から支持を得、2回目の当選を果たした。
当確の報を得て午後8時すぎに支持者らが待つ選挙事務所(秋田市御野場)に姿を見せた寺田氏は「6年間取り組んできたこと、そして6年間県民からたまわってきた課題の解決のために一生懸命これからも働いていきたい。全県を17日間あらためてまわる中で、さまざまな思いを受け取ってきた。こうした思いを受けとめて、もう一度一生懸命この6年、しっかりと取り組みたい」と決意を新たにした。
一方、「消費者と生産者の笑顔のために」をスローガンに据え、持続可能な農林水産業の実現などを公約に掲げた中泉氏は、事実上の一騎打ちの結果新人の寺田氏に敗れた6年前の参院選の雪辱ならず、政界復帰を果たすことができなかった。寺田氏との票差は、6年前の2万1,067票から4万8,393票へと2倍以上に拡大した。
支持者らの前で中泉氏は「もう一度秋田のために自分の経験を生かしてお役に立ちたい、そういう思いであがいてきた。皆さんの期待に応えられなかったことに、あらためてただただ自分の力不足、無力さを感じる」と敗戦の弁。
参政党がスローガンに掲げる「日本人ファースト」を今選挙で前面に押し出しながら「日本人を豊かにし、守り抜き、育む」と訴えた佐藤氏は「やっぱり力及ばず、当然のことだがこんな結果になった。参政党が伸びていったら、きっとまた日本、変わってくると、それによって秋田県も変わってくると、そんな希望が見えてきたのではないかと思う」と選挙戦を振り返った。
「NHK受信料を不払いする国民を増やして、NHKをぶっ壊す!」などと訴えた本田氏は、公示日の今月3日だけ街頭演説をして活動拠点の埼玉県川越市に戻り、県内での選挙運動がほぼ皆無だったことを反映する得票数となった。
本県選挙区の投票率は男性60.17%、女性57.15%、男女平均で58.57%で、過去最低だった3年前の第26回参院選に比べて3.01ポイント上昇したものの、平成28年(2016年)の第24回参院選(60.87%)以来の60%超えはならなかった。 (午前零時半)
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